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HASUNA WOMAN Vol.3 * 輝く人を紹介 野宮あす美さん ~アライアンスフォーラム財団~

第3回目のHASUNA WOMANは、大学時代に共通の友人を通じてHASUNA代表白木と知り合ったという野宮あす美さんにインタビューさせて頂きました。次々と新しい世界に飛び込んでいき、自らの道を進んでいる野宮さんに、幼少時代から現在に至るまでのお話しをお伺いしました。



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■野宮あす美さん (プロフィール)1983年東京生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業 大学時代には国際協力サークル『Chances for all』、ミャンマー教育支援NGO『Opening Possibities Program』(アメリカNPO法人)を立ち上げる。大学卒業後は、ゴールドマンサックス証券に入社し投資銀行部門にて資金調達などを担当。その後、公益資本主義研究の研究メンバーとして東京財団・アライアンスフォーラム財団に参加。現在は、アライアンスフォーラム財団にてマイクロファイナンスプログラムの立ち上げを行う。

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―野宮さんはどんな子ども時代を過ごされたのでしょうか?
幼少時代はイギリスで育ちました。その頃、世界では、エチオピアの大飢饉、バングラデシュの自然災害、湾岸戦争などが起こっていて、イギリスは多くの難民を積極的に受け入れていました。クラスメイトの親戚や母国の人々が大変な目にあっているということを、彼らから聞いて、子どもながらに「なぜ、世界ではこんなにもたくさんの問題が起こるのだろう?」と疑問を感じ、考えるようになっていました。
その後、日本に帰国した後も、自分のお小遣いの可能な範囲でチャイルドスポンサーとして支援を続けました。



―子どもの頃から「国際協力」を考えるきっかけがあったのですね。大学ではどのようなことを学ばれたのでしょう?
大学は慶応義塾大学の政治学科へ進みました。大学には国際協力系の団体やサークルなどが当時あまりなかったので、同じ学科の友人達と「何か自分たちで出来ることを始めてみよう」という想いから『Chances for all』というサークルを立ち上げました。『Chances for all』とは「きっかけを作る」。途上国で起きていること知り、直面している問題などを自分たちなりにリサーチし、日本の子ども達や学生にインターネットを通じて発信しました。まずはホームページを通じて知ってもらい、共感した人々からは寄付を募り、そこで集まったお金は途上国で「変化のきっかけが生まれる」ように使ってもらいました。


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ミャンマーの子供たちと野宮さん


―さらにミャンマーでの教育支援をされる団体も設立されたのですね?
はい。これは大学3年生のときに友人と一緒に始めたプロジェクトです。ミャンマーは軍事政権で政情も不安定で、学校が突然閉鎖されてしまうこともあります。教育制度が整っておらず、子どもたちは一貫した教育をうけることが難しいのです。100以上の少数民族が国内にいるため、教科書を作成することも出来ていません。私が訪れた地域はミャンマーの中でも過疎地にあり、児童労働や売春などで、その地域の子どもたちが誘拐されてしまうこともありました。そのような子どもたちを守ろうと、その村のお坊さんたちが子どもたちを守るために学校を設立しました。今では7000人ほどの生徒が通っています。その学校の教育を支援する団体を設立しました。

―なぜミャンマーを選ばれたのでしょうか?ミャンマーで活動している団体はあまり聞かないように思いますが・・・。
ミャンマーは他の東南アジアの国と比べてもさらに多くの社会問題を抱えている国です。軍事政権ということもあり、外国人の活動できるエリアが限られていて、送金さえできません。他の東南アジアの国には日本の団体だけでも1000以上のNGOが活動していますが、ミャンマーには数団体しかいない・・・。活動するには難しい国ですので、最初は家族や周りからの反対もありました。でも、出会った彼らを見過ごすことはできません。それで、自分たちができる形で現地でできた友人と一緒に活動することを決意しました。



―具体的には、どのような支援を行っているのでしょうか?
この学校の先生たちは13歳から15歳の日本でいえば中学生にあたる子どもで、その子たちが小学生に教えています。この学校には教科書や学習指導カリキュラムのようなものはありません。彼女たちが、どうすれば分かりやすく教えることができるだろうかと必死に考え、毎日の授業が終わってから夜中まで準備をしていました。その姿を見て、彼女たちの力になりたいと思い、ティーチャーズトレーニングのカリキュラムを作成に取りかかりました。また、ミャンマーの学校で英語などを教えたい日本の大学生を集め、事前に研修などを行ったうえで、クラスで教えてもらうなど人的交流も行いました。



―大学卒業後は一見すると真逆のビジネスの世界へ飛び込んでいますが、そのままNPOの道へ進もうとは思われなかったのですか?
学生時代、チャリティイベントへ参加したりやボランティアをさせてもらうなどで多くのNPO・NGO団体の代表者やスタッフの人から話を聞く機会がありました。彼らに共通しているのは、『情熱』。グローバルな大きな団体から小規模な団体まで、その想いはみな熱いものでした。
しかし一方で、資金調達がうまく出来ず、必要な人材が不足していて運営がうまくいっていない状況をたくさん見てきました。なぜ、情熱があるのにうまくいかないのか...。そのジレンマを解決するためには、ビジネスの世界でお金の流れや戦略の立て方を学び、スキルを身につける必要があると思ったのです。そこで、ビジネスの世界で話されている言葉も学びたいと思いました。
ミャンマーのプロジェクトは一緒に立ち上げたパートナーが現地に住み込んで活動を継続してくれていましたので、私は週末に日本からできるサポートを行い、休暇の際にはミャンマーへ行きワークショップを行いました。


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―なるほど。そして、ゴールドマンサックス(以下GS)に入社されたのですね。どのような仕事をされていたか、どんな生活だったかなど聞かせてもらえますか?
GSには2年半、勤務していました。投資銀行部門にいて、会社の資金調達、会社の合併などを担当していました。会社の合併は、人で例えるなら結婚のようなもので、企業にとって大変なことです。会計士や弁護士など10~30名ほどのメンバーでチームを組み、24時間体制で動いていました。何かあればすぐ駆けつけましたし、ほぼ毎日深夜過ぎに帰宅してシャワーを浴びて、着替えたらすぐ出発、という生活でしたね。本当に大変な毎日で、このまま疲れてしまうかも...と不安になることもありました。ですが、同期・同僚などの仲間に恵まれ、いま振り返ると楽しかったな、と思います。取組んでいる仕事の意味を見失いかけたときなどは、「きっと今やっていることが、ミャンマーのプロジェクトにもつながるはずだ」と信じることがモチベーションにつながりました。

―GSで2年半働いたのち、財団で研究の分野にキャリアチェンジをされてますが、これはどのようなきっかけだったのですか?
東京財団とアライアンスフォーラム財団が共同で公益資本主義の研究を開始することになり、その研究メンバーとして入らないかと言う声がかかりました。NPOを活性化したいという想いがあり、それを研究という側面からサポートできるのではないかと思ったのです。どのような社会のシステム・理論を作れば、企業が社会に利益還元をしながら成長し、NPOが元気になれる経済理論が出来るのか。政策面からサポートできるのはおもしろいな、と思い、違う世界へ飛び込んでみることにしました。



―最近では、NPOにもビジネスの世界を数年経験してからキャリアチェンジする人が増えているなと感じます。また、いつかはNPOへ転向しようという想いでビジネスの世界で頑張っている人もいますが、企業で働くほうが安定しているためか、なかなか思い切って仕事を辞めることが出来ない人もいるようです。野宮さんはそのような不安や迷い、ビジネスへの未練のようなものはありませんでしたか?
そうですね。仕事を2年半やってみて学生時代には全く分からなかったビジネスの面白さが見えるようになりました。また、担当した仕事の中には、金融のスキームを使った地方の医療業界の活性化などもあり、もしかしたら、社会問題の解決は会社の仕事を通しても出来るのかな、と思うこともありました。
ただ、ビジネスの世界は流れる時間のスピードがとても速く、このままだとあっという間に時間が経ってしまうと思い、一度、違う世界に出ることにしました。もし、上手くいかなければ戻ればいいか、とも思っていたので。違う世界の面白さもあり、ビジネスの世界へは戻ることもなく、1年半かけて研究をし、論文をあげました。

―公益資本主義という言葉は初めて聞く人が多いと思うのですが、少し簡単に聞かせてもらえますか?
公益資本主義とは、企業が市場で競争をしながら社会への貢献を企業存続の大きな目的とすることです。会社は様々なステークホルダーに支えられていますが、一部の株主に利益が偏る形こともあります。しかし、これによって多くの問題が発生しています。世界が持続可能な繁栄ができるよう、公益資本主義の実現のための理論構築・市場経済の丁寧な制度設計をしていこうというのが、研究の始まりです。
研究メンバーは私以外がアメリカの博士課程生だったのですが、アメリカ社会の格差の広がりなど、行き過ぎた資本主義の問題を非常に感じていると話していました。企業の本来の姿というのは、株主だけではなく、従業員、顧客、取引先、地域社会、関係する人たち全てのものであり、事業を通じて社歌に貢献するのが本来の形だと考えています。


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―そのお話を聞いているとHASUNAの掲げるミッションと重なるような気がします。
まさにそうですね!HASUNAは生産者から身につける人までが輝ける仕組みを取り入れていますので公益経営をしていると思います。身につける人が輝くだけでなく、鉱山で採掘している人や、職人さんたちも輝いてくれること、本当に素敵なことだと思います。



―この研究は、次の段階に進んでいるということなので、次の発表が楽しみですね。野宮さんの担当された研究は終わって、今はまた異なる分野に挑戦されているのですね。
今はアライアンスフォーラム財団で働いて、バングラデシュでBRAC大学と共同で貧困層の金融を学ぶプログラムの立ち上げを行っています。途上国では約27億人の貧困層が公式な金融サービスにアクセスできずにいます。生活をする上での適切な金融サービスを提供するため、バングラデシュは世界中でもっともマイクロファイナンス機関が存在していますので、その成功例も失敗例もたくさん蓄積されています。それらの事例をこのプログラムを通して学んでもらい、マイクロファイナンスの知識を身につけます。そして、バングラデシュ以外のアフリカやラテンアメリカでその国の状況に合わせた課題解決や展開をしてもらおうという試みです。日本からも学びに来ている人が多いです。彼らは何かきっかけを探す目的で参加していることが多いのですが、不思議なことにプログラムが終わると、海外だけではなく日本の社会問題に目が向く方も多いです。

―おもしろい変化ですね。何かきっかけがあるのでしょうか?
バングラデシュの国土は北海道と同じぐらいの広さですが、人口は日本以上の数です。ですので、どこに行っても人、人、人・・・。農村部も人だらけです。そのためか、皆、たくましく生きています。地方の村に行くと、都市部と違い携帯電話が普及していないこともあるのですが、村の誰かが携帯を持っていれば、その人が携帯電話のレンタルサービスを始めて、自らビジネスを作り出しています。リソースもほとんどないのに、自らの力でコミュニティの問題を解決しようと取り組んでいる姿に刺激を受けるようです。私もそうでした。そうすると、まずは自分の住んでいる日本の身近なコミュニティの問題をどうにかしようと思うようです。



―これからもこのプログラムは定期的に行われるのですか?
今は2週間ほどのプログラムですが、1年間のカリキュラムも作成しているところです。より長期的に学ぶ事で、マイクロファイナンスなどを深く学べるようになります。また、世界各国から、様々なバックグラウンドを持った人が集まりますので、そこで意見交換をできるのも、貴重な経験になると思います。



―今後のキャリアのビジョンはありますか?
今は出張などでバングラデシュに数週間滞在することもありますが、日本で勤務しているときは財団で働き、空いた時間ををミャンマーのプロジェクトに充てています。これからの働き方や進む道は、模索中です。
どのような活動をするのが良いのか日々考え、悩んでいます。
漠然とですが、「変化を起こせる人を育てられたらいいな」と思います。いま支援しているミャンマーの学校から一人でもいいから大学に行くことができれば、きっとそのコミュニティを良い方向に変えていける人材が育つと思います。子ども達は将来の夢をそれぞれ持っていますので、その夢を実現し、自分たちは変化を起こせる人間なのだと信じてもらいたいです。村の学校という小さい輪かもしれませんが、そういう輪の中に自分はいたいと思います。
人への投資はお金も時間もかかります。また、結果が見えるまで時間はかかってしまうかもしれませんが、最終的にその国を変えるのは人。
自分一人では出来ないことも、出会った人と力を合わせて道を切り拓いて進み、新しい世界が見えるというのは、おもしろいなと思います。




最後に野宮さんからミャンマーの学校の動画を見せてもらいました。子どもたちはみな笑顔で明るく、目が輝いています。授業中も真剣に先生の話を聞き、積極的に参加していました。「突き刺さるような好奇心」という野宮さんの表現がまさにぴったりでした。
まだ小学生の子どもたちですが、きっとここで学んだ生徒たちは「変化を起こす力」を持っていると思います。まだまだ先のことかもしれませんが、子どもたちの目の輝きのなかに、明るい未来を見た気がします。


日本も先が見えず、迷ったり立ち止まったりする人が多いかもしれません。また、就職や転職などで悩まれている人も多いかと思います。いろいろな分野へ挑戦して、自らの道を切り拓いている野宮さんのインタビューから何か気付きがあればと思い、お話しを聞かせてもらいました。ありがとうございました。




―編集後記―
野宮さんのプロフィールを見て頂くと分かるとおり、すごい経歴の持ち主。どんな方なんだろうと緊張気味だったのですが、すごく柔らかい雰囲気で、いろいろとお話しを聞かせて下さいました。この日は、ルワンダの牛の角のネックレスを付けていましたよ。パープルが好きだそうで、透明感のある野宮さんの雰囲気にピッタリですごくお似合いでした!


最後に第3回目の配信が遅くなってしまって申し訳ございませんでした。第4回目も素敵な方にインタビューしていますので、期待していてください!


(編集 山本真衣子)



―アライアンスフォーラム財団のマイクロファイナンスコース参加のご案内―
野宮さんが勤務するアライアンスフォーラム財団は途上国の継続的自立発展を促す民間による新たな途上国支援を進めています。現在、2011年春季マイクロファイナンス・プロフェッショナル養成コースが今月20日まで募集中です。
ぜひご覧ください!


■■アライアンス・フォーラム財団・BRAC大学主催 研修コース■■
マイクロファイナンス・プロフェッショナル養成コース 2011年春(導入編)


本年4月、当財団とバングラデシュBRAC大学共催で、約二週間のマイクロファイナンス ・ プロフェッショナル養成コースを開催いたします。 本コースは、他国の方とともに貧困層への金融の手法・取り巻く現状と課題を学び、途上国及び先進国の問題の解決に取り組むリーダーの育成することを目的としております。マイクロファイナンスを通じてアジアやアフリカの途上国支援に関わっていきたい方、途上国で事業を立ち上げるにあたり現地の金融を学びたい方、専門ではないけれどもマイクロファイナンスに興味を持っている方にとって、一つのキャリアステップにしていただきたいと考えています。


【コース期間】 2011年4月21日(木)~5月5日(木)
【応募締切】 2011年2月20日(日)


応募方法・詳細については当財団ホームページからご案内いたしております。
ご参照下さい。
http://www.allianceforum.org/developing/microfinance/invitation.html
Twitter: Alliance_Forum

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よくお似合いです!


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